死闘

それは、昨晩のことであった…。
私はお風呂に入っていた。
好きな音楽をかけ、ぬるめの温度でじっくり半身浴。
くつろいだ気分で風呂から上がり、バスタオルで身体を拭く。
…事件はそのとき起きた。
「ぎゃあああああああ!!!」
私の叫びは家中にこだました。
そう、私は見てはいけないものを見たのだった。
バスタオルについている、最強クラスのゴキブリを…
はたと我に返り、あわやゴキブリと接触しそうな風呂上り22歳の柔肌からバスタオルをひっぺがし、床に向かって投げ捨てる。
異変に気づいた黒光りする奴は、すばやい身のこなしで壁に向かって羽を羽ばたかせた。
私はというと、大混乱に陥り変な汗を流しながらも雑誌を取りに走る。
「じゃらん」を手にとり、急いで風呂場に駆け戻った私を迎え撃つはずの奴は…既にそこには居なかった。
「奴が消えた…」
呆然とする私。
…あの、最強クラスの奴がこの部屋のどこかにいる。
そう思うだけで居ても立っても居られなくなるのは分かっている。
ここで仕留め損なったら、今日の私の安眠は無いも同然。
宣戦布告、決定。
そうだ、ゴキブリには洗剤が効くんだ。
母が昔洗剤で弱らせていた所を見た事がある。
ただ、洗剤で武器になりそうなものが…
食器洗いようだとピンポイントで狙わないと駄目だし…
あ、あった!台所にキッチンデイリーピュアがあるじゃないか!
あれなら散布範囲もなかなか広いし、いけそうだ!!
遠隔攻撃用飛び道具(デイリーピュア)と接近戦用殺戮武器(じゃらん)を両の手に装備。
準備は完了した。
いざ、勝負!!!!

……
………
出てこない。
奴がどこにも居ない。
ちくしょう、とりあえず休戦か…と思い背中を向けたその瞬間。
視界の端に何かが写った。
飛んでいる奴の姿だ。
あわてて振り返り、奴の姿を追う。
奇声をあげながらやつに向かって一撃!ミス…もう一撃!
奴はちょこまかと私の攻撃をかわし、洗濯機の下へ逃げ込む。
もう大パニックで何がなんだか分からなくなってる私は洗濯機をがたがた揺さぶり、いぶりだそうとた。
1分程度そんなことをしていただろうか。
ふと奥を見ると、そこに奴の姿を捉えた。
私はキッチンデイリーピュアを奴に向かって発射した。
1発!2発!3発!!
さすがに3発目には奴の動きがあきらかに鈍くなっているのを確認できた。
逃げ惑う奴に向かい、容赦なく攻撃を続ける。
そのとき、今まで狭い壁に張り付いていた奴が床に踊り出てきた。
…いまだ。
私はじゃらんを振りかざし、勢い良く振り下ろした。
勝利。
やったのだ。
ついに私は奴に勝ったのだ。
「ぅぁあ…」
あまりの安渡と疲労に、違う部屋に倒れ込む。
そして、ふと私は気づいた。
「すっぱだかじゃん…_l ̄l○」
その後、遺体処理をするのに「ひぃぃぃぃ」と叫びながら5分もかかったのは内緒。

死闘」への3件のフィードバック

  1. ふじりこ

    あ゙~~q(T▽Tq)
    あ゙~~(pT▽T)p
    身の毛がよだつ~~!!!
    あたしね、ゴッ・・・ゴキと蜂が大ッキライなの!!
    こないだ会社で見つけたときも、そりゃもう泣きながら退治したさ!!
    気づいたら裸だったって、メッチャよく分かるわ(笑)

  2. Aliceことzuboraっちだす

    ごまちゃ~ん。
    こんなところにいたのね^^;。
    めっけ~めっけ~。
    みんな風呂具...いやブログ始めてるのね。
    いや怖い、ゴキブリ...ひぇぇぇぇ。

  3. きむちん

    うわーーー
    朝ごはんのパンをほおばりながら夢中で読んだよ(笑)
    かなり面白いけど・・けど・・大変だったね( ┰_┰) シクシク

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